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2024年北京モーターショーにおける最新動向




1990年に開始されて以来、北京モーターショーには中国国内外から自動車業界の大手企業が参加してきました。18回目の開催となる今回の同イベントは、「New Era, New Automobile(新たな時代、新たな自動車)」をテーマに、多くのOEMが非常に革新的で低価格の車両で新たな市場への進出を見せており、中国の自動車業界が大きな転換期を迎えていることが窺えます。

 

SBD Chinaからは、ディレクターであるVictor Zhangと中国チームのメンバーが同イベントを現地視察し、自動車の未来に及ぼし得る影響や、ショーフロアで発表された新技術および車両について分析しました。本記事では、北京モーターショー 2024における主要トレンドや最も興味深い新型車両について紹介します。


 

主要技術動向

今年のイベントでは、様々な領域にまたがる技術が数多く紹介されました。SBDの視察チームでは、それらの中でもインテリジェントコックピット 、ADAS、EV充電が主要なトレンドであると見ています。


インテリジェントコックピット

中国市場にはすでに先進的なコックピットシステムの競争力のあるエコシステムが存在しており、今年の北京モーターショーは多くのOEMが最新のIVIを展示する場となりました。


このトレンドをリードしたのは Lynk & Coで、独自のコックピットシステムであるLYNK Flyme Autoのアップグレード版を披露しました。07 EM-Pで発表されたこのシステムは、新たな14.5インチ3K有機ELリアディスプレイを備えており、後部座席の乗員がナビゲーションを含むエンターテイメントや車両アプリのエコシステムにアクセスできるようになっています。後席の乗員が車両の機能を操作したい場合は、12.6インチのセンターディスプレイ「Lynk & Co Co Pad」を取り外して、後席の乗員に渡すことができます。同システムでは3車線のARナビゲーションをサポートし、ドライバーの前にADASの情報を表示するほか、システムの92インチ2K AR HUDは、駐車時に映画を見るための大きなシネマスクリーンに変わります。これらの技術に電力を供給しているのは、2つの7Nm SE1000チップで、AIベースのバーチャルアバターである「Lynkie」もサポートしています。

 

このトレンドは、北京モーターショー2024で世界初公開されたMini AcemanとiCAR V23にも見られました。Acemanの内部には、円形のOLEDディスプレイが搭載され、タッチまたは音声コマンドで運転機能を制御できる、まったく新しいMINI Operating System 9が搭載されています。そのUIは円形スクリーンに適応し、円周上にミニマルなウィジェットが配置されています。上部にはスピードとバッテリーの状態を示すウィジェットがあり、下部にはナビゲーション、メディア、電話、クライメート機能のプロンプトが表示されます。例えばスピード用のウィジェットをタップすると、画面いっぱいに大きなデジタル速度計が表示され、より集中したドライビング体験を提供します。iCAR V23のコックピットシステムは、QualcommのSnapdragon 8155チップを活用して、15.7インチの2K中央制御画面とUnreal Engineベースの3D HMIグラフィックスを実現しています。このシステムは、ワイヤレスのApple CarPlayに対応しているほか、メインストリームのゲーム機やVRグラスに接続して機能を拡張することもできます。


EV充電

OEMやサプライヤーが最新のバッテリー技術を披露するなか、EV充電もAuto China 2024の主要トレンドのひとつに浮上しました。

 

例えばCATLは、LFPを活用して205Wh/kgのエネルギー密度と1,000kmを超える航続距離を実現した新型バッテリー「Shenxing PLUS」を発表しています。この新型バッテリーは、10分間の充電で600km(372マイル)の航続距離を回復することができます。同イベントではまた、CATLがまったく新しいShenxing Superfast Charging Networkと、EVオーナー専用クラブを発表し、公共の急速充電やバッテリーテストなど、さまざまなサービスをオーナーに提供することを明らかにしました。


GAC AIONブランドのHaopinは、400Wh/kg、最大航続距離1,000kmを超える新たな全個体電池を発表しました。第3世代のスポンジシリコン負極と高面積容量の固体正極技術を活用し、コンパクトなフォームファクターと軽量化で、より長いバッテリー寿命を実現しています。GACグループは、2026年に新型Haopinモデルへこのバッテリーを搭載する予定であるとしています。

 

Changan(長安汽車)は、同社のバッテリーブランドであるJinzhongzhaoの今後についてと、同ブランドが将来のEV用バッテリーをどのようにサポートするかについての洞察を提供しました。Jinzhongzhaoでは、既存の液体電池をアップグレードおよび最適化し、充電時間7分で、航続距離400kmを実現することを目指します。同ブランドは、新しい電解質材料、半固体電池、固体電池の開発を継続し、2027年までにエネルギー密度350~500Wh/kg、体積エネルギー密度750~1000Wh/Lの新型電池の発売を計画しています。



車両に関する主要な発表

Xiaomi SU7

2024年の北京モーターショーで発表された車両で最も興味深かったのは、中国のテックジャイアント初の車両であるXiaomi SU7です。この新型EVは、Xiaomiの車載ソフトウェアHyperOSを筆頭に、さまざまなコネクティビティと安全技術を搭載しています。このシステムは、人、車、家庭の相互接続性を強化することを目的としており、この目標を達成するためにスマートフォンの同期機能を提供しています。これらの機能は、Xiaomi自身のコンシューマーエレクトロニクスシステムに限定されるものではありません。SU7は、AppleのiPadを搭載し、リアインフォテインメントスクリーンとして使用することを可能にしています。

 

同様に自社開発されたのが、EVのADASスイート、Xiaomi Pilotです。12個の超音波センサー、11個の外部カメラ、3mm波レーダー、LiDARを備え、L2+アシスト運転機能を一部提供します。その中には、高速走行や市街地走行のアシスト(8月発売予定)、駐車アシストサービスなどがあります。またXiaomi Pilotでは、認識精度を高めながら障害物をより正確に識別する、同社独自のSuper Resolution Occupancy Network技術を搭載しています。 


Honda Ye P7/S7

Hondaは、中国にフォーカスした新しいEVブランド「Ye」を発表しました。YeブランドのEVは、Hondaが中国市場向けに特別に設計したまったく新しい「W」アーキテクチャーを採用し、大容量・高密度のバッテリーと「スリー・イン・ワン」の高出力駆動モーター、一体型ダイキャストシェルを提供します。Wアーキテクチャーを採用したYeのEVには、デュアルモーターの4輪駆動モデルと、シングルモーターのリア駆動モデルの2種類の駆動レイアウトが用意されます。


車内では、新たな中央制御レイアウトが採用され、タブレットのような1つのディスプレイが水平方向に分割表示されます。このディスプレイには、Hondaの新たnプロアクティブAI、Honda SENSING 360+、Honda Connect 4.0など、Yeブランド初採用となる多くの新技術が搭載されています。これらのEVは、「Rスーパーモード」や「Vエクスクルーシブモード」などのオンデマンドサービスを提供するほか、HondaのAI技術によりプロアクティブなレコメンデーションを提供することで、ドライバーのサービスエコシステムの統合とパーソナライズを支援します。


Volkswagen Tiguan L Pro

中国市場向けにSAICとVWの合弁会社を通じて現地生産されるVolkswagen「Tiguan」の最新モデルは、同社、SAIC、DJI Automotiveが共同開発した新たなADAS 「IQ.Pilot」を搭載した初のモデルです。一連のL2+機能を提供するIQ.Pilotは、多くの高速道路で作動可能なインテリジェントな半自動運転パイロットとともに、インテリジェントな車線変更と合流に対応する機能を提供します。


新型Tiguan の最大の特徴は、6つのスクリーンを備えた先進的なコネクテッドシステムにあります。これらには15インチの2Kフローティングスクリーン、11.6インチのパッセンジャーエンターテイメントスクリーン、10.3インチのデジタルインストルメントディスプレイ、インテリジェントコントロールノブ上の小型スクリーン、フロントガラス上のHUDが含まれます。Tiguan Pro Lでは、これらスクリーンにQualcommのSnapdragon 8155チップを搭載した幅広いコネクテッドアプリ、機能、サービスが表示されます。その中には、車線レベルでのオンラインナビゲーション、WeChat、iQIYIビデオストリーミングサービス、QQ Musicのネイティブ車載アプリケーション、iFLYTEKの音声アシスタントなどがあります。


 

2024年 北京モーターショー、速報レポート提供中

北京モーターショー2024では、中国国内外の主要企業によるエキサイティングで新しいイノベーションを体験できる貴重な機会が提供されます。しかしながら、41台のコンセプトカーを含む117台以上が世界初公開され、合計278台の電気自動車とプラグインハイブリッド車が発表されてろい、そうした取り組みから動向を把握することは非常に困難です。

 

本記事で紹介したのは、こうした取り組みのほんの一部ですが、SBDが今回発行した無償レポート「北京モーターショー2024 - 速報レポート」では、同イベントから最も重要なトレンドと発表をピンポイントで紹介しています。このレポートでは、同イベントで最も注目される車両や技術について、SBDの専門家チームによる分析とインサイトを簡潔にまとめ提供しています。


「北京モーターショー2024 - 速報レポート」(英語版、※日本語版は近日公開予定)は、下記から無料でダウンロードいただけます。


同イベントの全容を包括的にまとめ、より深い洞察および分析を提供する 北京モーターショー2024・プレミアムイベントレポートは英語版・日本語版共に近日発行を予定しています。





 


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