ビジネスモデリング

ある大手自動車メーカーは、既存技術を活用して、ドライバーがより安全な運転をできるような仕組みづくりができないか検討しており、SBD にコンサルティングを依頼しました。

背景

世界では毎年およそ 120 万人が交通事故で亡くなっており、運転をより安全なものにしなければならないという自動車メーカーのプレッシャーは高まっています。

アクティブセーフティ導入の動きは成功したものの、ADAS が効果を発揮するのは主に、衝突まで 2 秒を切っている場合のみです。この限界を認識した同社は、既存技術を利用して、人間のドライバーが運転時により安全な挙動を取るようサポートできないかと考えたのです。

主な疑問点

  • 「より安全な運転」とはどういうことか?
  • ドライバーの挙動を評価するための実行可能な手法はあるのか?
  • フィードバックをドライバーにどう提供するのか?
  • 「より安全な運転」は事故のリスクを大幅に軽減するのか?​​​​​​
お問い合わせ

SBDでは以下のプロセスでコンサルティングを実施しました

「より安全な運転」を定義

SBD は、事故につながりやすい最も一般的なドライバーの挙動を理解するために、事故の後処理業者や各種関連団体にヒアリング調査を実施、その結果、スピードの出しすぎ、携帯電話の使用、危険認知能力不足が「危険な運転」によく見られる特徴として挙がりました。

実行可能な手法を特定

スピードやブレーキを踏む頻度など、危険な運転の特徴となる要素がリスクの高い挙動の指標となり得ることは間違いありませんでした。運転データに基づく自動車保険部門ではすでに、テレマティクス技術を使用してこうした要素に応じてリスクを評価し、顧客に報酬を提供 (またはペナルティを適用) していました。

インセンティブを提供

同社は、運転時の挙動を記録し、安全な運転に対しては報酬を提供するシステムを検討、これに対して、運転中にドライバーの注意をそらすことなく、楽しい方法でフィードバックを提供する独自の方法を特定できるよう、SBD のADASスペシャリストが支援しました。目指したのは、より安全な運転と何か楽しいことの間につながりを作ることでした。SBD のスペシャリストは同メーカーと緊密に連携し、このシステムを収益化する選択肢を探りました。

検証の結果

  • 同社は、テレマティクスをどう利用すれば運転時の挙動に影響を及ぼせるのか、明確に把握することができました。しかし、多くの企業がアプリベースのシステムを使用してドライバーの挙動に影響を及ぼそうとして、失敗に終わっていた事例から、収益性につながるビジネスモデル構築は困難であることが判明、不透明な採算性の中で事業として推進するリスクは高いと結論づけました。
  • それを踏まえ、SBD では、同社の先進技術を利用して自動車教習所にサポートシステムを提供する、或いは類似システムを既存のADASシステムに統合する等の他のアプローチで安全運転への寄与が見込めることを推奨、サポートを継続しています。​